【ワシントン=河浪武史】ルー米財務長官は6日、中国の汪洋副首相と電話会談し、国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)と呼ぶ準備通貨への中国・人民元の採用について「IMFの基準を満たせば支持する」と伝えた。IMFは11月末に人民元のSDRへの採用を判断する方針だが、最大の議決権を持つ米国も容認する考えを改めて示した。
SDRはIMFが加盟国に配る準備通貨で、加盟国は通貨危機時などの際にSDRを実際の通貨と交換できる。SDRと交換できるのは米ドルや円など4通貨だけだが、IMFは中国の経済成長を受けて人民元も加える方向で調整している。米国は9月の米中首脳会談の際にも、人民元のSDR入りを条件付きで容認する考えを示していた。
ルー財務長官はトルコで15、16日に開く20カ国・地域(G20)首脳会議を控えて汪副首相と会談した。ルー長官は、中国が市場に基づいた為替相場へ迅速に移行することが重要だとも訴えた。