伊藤ハムと食肉加工の米久は6日、大阪市内で記者会見し、2016年4月に持ち株会社方式により経営統合することで最終合意したと発表した。持ち株会社の本社は東京都内に置く。主なやり取りは以下の通り。
――統合に踏み切った理由は。
堀尾守・伊藤ハム社長「両社とも現状は順調だが、日本の市場は拡大しない。流通業界もさらに合従連衡の動きが出てくるだろう。より大きな規模で業界ナンバーワンを狙える会社に持っていくべきだと判断した。三菱商事も交え、6月から協議を始めた」
――持ち株会社傘下の伊藤ハムと米久はいずれ統合するのですか。
堀尾氏「現段階では考えていない。まず両社で生産体制、製品構成を見直しコストを下げる。物流、営業所、間接部門もムダを省いていく。営業は当面、両社でそれぞれ続ける。統合で数十億円の相乗効果を狙いたい」
――リストラに踏み切りますか。
宮下功・米久社長「人員削減は一切想定していない。現状は人が足りない状況だ」
――筆頭株主の三菱商事との連携は。
宮下氏「三菱商事に食肉関連の会社があり、ノウハウを生かしたい。同社の海外の事業プラットフォームも活用したい」
――今後もM&A(合併・買収)を狙いますか。
宮下氏「必ずしも規模を追うことを目的にしていない。是々非々で考える」
――統合後の人事の狙いは。
堀尾氏「宮下氏は統合会社社長として相乗効果を出すことに専念する。私は取締役会議長を務める。事業会社の社長は伊藤ハム出身。全社一丸で頑張れる体制となった」