【ソウル=小倉健太郎】北朝鮮の朝鮮中央通信は8日、故金日成主席が展開した抗日闘争に参加した革命第1世代である李乙雪(リ・ウルソル)元帥が7日に肺がんで死去したと報じた。葬儀委員に金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の最側近、崔竜海(チェ・リョンヘ)党書記が含まれておらず、韓国の聯合ニュースは身辺に変動があった可能性を指摘した。
国葬は11日に開く。葬儀委の委員長は金第1書記だ。ラヂオプレスによると170人の委員には体制を支える幹部が軒並み顔をそろえる。聯合ニュースは崔氏が外れた点について「政治局員と書記を解任されたのでなければあり得ない」とする専門家の見方を伝えた。
李氏は1937年に朝鮮人民革命軍に入り抗日武装闘争に参加した。独立後は国防委員会委員などを努め95年に人民軍元帥の称号を与えられた。近年は目立った活動が報じられておらず権力構造への影響はないとの見方が多い。94歳だった。