九州の道路地図で、渋滞について説明する渋滞予測士の横尾俊宏さん=福岡市博多区
車での遠出が増えるゴールデンウィーク(GW)は渋滞が心配だ。高速道路の渋滞は、どのように予測され、どう避ければいいのか。西日本高速道路(ネクスコ西日本)が昨年名付けた、渋滞予測を専門にする「渋滞予測士」が語る。
ネクスコ西日本は4月、GWの渋滞のピークについて、九州では下りが5月3日午前10時ごろに鳥栖ジャンクション(JCT、佐賀県鳥栖市)付近から最大30キロ、上りは5日午後6時ごろ古賀サービスエリア(SA、福岡県古賀市)付近から最大20キロと発表した。
予測したのは、交通計画課の横尾俊宏さん(33)。約4カ月間かけて、過去数年分の渋滞データと、当時の事故や気象などの状況を照合した。最大9連休となる今年は、休みの並びが同じ6年前の状況を参考にし、毎日記録しているインターチェンジ間などの交通量の変化を加味した。
ただ、予測は難しい。予測士として初めて臨んだ昨年のGW。下りのピークを鳥栖JCT付近で20キロと予測したが、結果は40キロ。交通量が予測を上回り、約10キロ北側で起きた渋滞とつながった。「熊本地震で一時減った交通量が、想定以上に回復した」と振り返る。
渋滞回避には「渋滞しそうな時間帯を見て、1時間でも出発をずらすこと」と言う。九州では混雑する時間帯が午前9時ごろ~昼過ぎと午後5~8時ごろに集中する傾向があるという。
渋滞予測は「実は当てるためのものではない」と横尾さん。「予測を見て利用されることで渋滞が緩和され、結果的に渋滞予測が外れることは大歓迎です」
渋滞予測はサービスエリアや道の駅の一部で入手でき、ネクスコ西日本のホームページでも見られる。(小川直樹)