日米欧などの金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)は9日、国際的な大手銀行への新たな資本規制を公表した。新たな規制は巨大銀行に対し、破綻時に備えて損失を吸収できる商品での資金調達を連結ベースのリスク資産比で2019年以降に16%、22年からは18%以上とすることを義務付ける。
この規制は総損失吸収力(Total Loss Absorbing Capacity=TLAC)と呼ばれ、巨大銀行の経営危機時に公的資金を注入せずに処理することを目的とする。日本では三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)など3メガ銀グループのみが規制対象となる。
損失を吸収できる商品としては持ち株会社が発行する普通社債等のほか、バーゼル規制の自己資本比率8%とその余剰分も算入できる。日本については預金保険制度が強固なことにより、19年に2.5%、22年からは3.5%を損失吸収力として算入することも認められる。
こうしたこともあり、金融庁は国内金融機関への影響について「経営努力の範囲内で無理なく達成可能な内容」としている。新たな規制はトルコで開く20カ国・地域(G20)首脳会議で報告する。〔日経QUICKニュース(NQN)〕