【NQNニューヨーク=古江敦子】9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場が4日続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の12月物は前週末比0.42ドル安の1バレル43.87ドルで取引を終えた。世界景気の減速で原油需要が伸び悩むとの見方が先物に売りを誘った。
経済協力開発機構(OECD)は9日、2015年と16年の世界経済の実質国内総生産(GDP)成長率予測を6月の予測から引き下げた。米国に次ぐ原油消費国である中国の10月の貿易統計が低調だったこともあり、先行きの原油需要が想定ほど強まらないとの観測が広がった。
石油輸出国機構(OPEC)が12月4日に予定する総会では、加盟国が減産に動かないとの見方が多い。市場では「ロシアなど非加盟国の増産基調も目立ち、需給の緩んだ状態が長引く。WTIは来年も40~50ドルの範囲で推移する」(リポー・オイル・アソシエーツのアンドリュー・リポー氏)との声が聞かれた。
ガソリンは続伸。ヒーティングオイルは反落した。
金先物相場は8営業日ぶりに小幅ながら反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で、取引の中心である12月物は前週末比0.4ドル高の1トロイオンス1088.1ドルで終えた。相場が水準を切り下げていたため、割安とみた買いが入った。一方で米連邦準備理事会(FRB)による年内の利上げ観測が続き、上値は重かった。
銀は6日続落。プラチナは8日続落した。