日揮は11日、2016年3月期の連結純利益が前期比2.4倍の500億円になる見通しだと発表した。従来予想は94%増の400億円から上方修正し、アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(9日時点、14社)の415億円も上回る。保有するインドネシア企業の社債売却に関連して、4~9月期に特別利益101億円を計上したため。年間配当は前期比28.5円増の49.5円と、従来予想(40円)から上方修正した。
売上高は13%増の9000億円、営業利益は82%増の540億円とする見通しをそれぞれ据え置いた。4~9月期は主力の総合エンジニアリング事業を始め減益の決算だったが、計画値に対し50%程度で進捗している。予想レートは1ドル=120円から変更しない。
同日記者会見した広瀬岳彦財務部長は、足元の原油安について「(通期予想の)9000億円の売り上げに関しては、ほとんどが既存プロジェクトからのもの。原油安による直接の影響はない」と話した。ただ、先行きが不透明な状況は続いており、今後は「無理をして安値で受注することは避けなければならない」と述べた。
併せて発表した15年4~9月期の連結決算は、売上高が前年同期比9%増の4361億円、営業利益が11%減の274億円、純利益は特別利益の押し上げ効果で25%増の319億円だった。純利益の通期予想に対する進捗率は64%になった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕