【ブリュッセル=森本学】ベルギーのミシェル首相は26日夜(日本時間27日未明)に記者会見し、ブリュッセル首都圏のテロ警戒度を最高レベルから1段階引き下げたと発表した。ベルギー政府は21日、パリと同様の同時テロがブリュッセルで生じる危険があるとの判断から、テロの危険度が「深刻で差し迫っている」を意味する「レベル4」に引き上げていた。
ミシェル首相は「事態はなお深刻だが、差し迫った状態ではなくなった」と判断見直しの理由を説明した。ブリュッセルの警戒度引き下げで、ベルギーのテロ警戒度は国内全土で4段階のうち上から2番目の「レベル3」となった。これはテロの「可能性がある」との判断を示す。
テロ警戒度が「最高」となって以降、ブリュッセルでは異例の厳戒態勢が敷かれ、街角では装甲車や武装した兵士が警戒にあたった。地下鉄が全面停止したほか、学校も休校となるなど都市機能が一時的にまひした。ただ25日からは学校が再開し、地下鉄も段階的に運行を開始していた。