宮内庁は4日、景行天皇陵として管理する奈良県天理市の渋谷向山古墳(4世紀後半)の発掘現場を公開した。これまでに9カ所を発掘し、家や蓋などの形象埴輪(はにわ)が見つかったほか、円筒埴輪が並んでいる様子も確認された。
全長約300メートルの前方後円墳で、古代の道路「山辺の道」沿いにあり、古墳時代前期(4世紀)の奈良県では最大。初期ヤマト政権の大王墓の一つとみられている。
周濠の水が墳丘を浸食し、土砂の崩落が進んだため、同庁が保全工事を計画。工法や範囲を決めるため、10月から調査していた。
1993年にも保全工事のため裾部の別の場所が発掘され、埴輪や葺石が確認された。
景行天皇は「古事記」「日本書紀」でヤマトタケルの父として記されているが、実在したかどうかは諸説ある。〔共同〕