【ベルリン=共同】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のミュラー会長は10日、ディーゼル車の排ガス規制逃れは「全て中間管理職以下が行ったことだ」と述べ、経営陣の関与はなかったと強調した。ドイツの公共放送ARDのインタビューで語った。
この問題ではドイツ検察当局が詐欺容疑で幹部らを捜査。不正の対象は世界で最大約1100万台に上るとされ、経営陣の直接的関与の有無が焦点となっている。
ミュラー氏は、排ガス規制の厳しい米国にディーゼル車を導入するという「野心的な計画」が不正に手を染める発端になったと指摘。技術部門が車両開発の過程で「通常の方法では規制基準を満たすのが困難だと気づき(違法な)ソフトウエアを使用するに至った」と説明した。
VWは10日、不正問題の社内調査に関して記者会見し、経営陣による不正関与の「証拠は見つかっていない」としていた。