経団連、経済同友会、日本商工会議所の経済3団体は16日、同日に正式決定した2016年度与党税制改正大綱について、トップによるコメントを発表した。いずれも16年度の法人税率29.97%への引き下げが明記されたことを評価。経団連の榊原定征会長は、海外との事業環境のイコールフッティング(競争条件の均等化)に向け「大きな一歩を踏み出した」として、経済界としても設備投資などの増大や雇用の拡大に「引き続き積極的に取り組みを進めていきたい」とコメントした。
日商の三村明夫会頭も法人減税を「対日投資の促進や企業の国際競争力強化に資する」と評価。同友会の小林喜光代表幹事は「法人税率25%の実現に向けた改革の加速を期待する」としたうえで、「損失処理に関しても国際的なイコールフッティングを図っていくことが今後の課題」と指摘した。
17年4月の消費増税時の軽減税率導入が盛り込まれたことについては、同友会と日商がともに「残念」とコメントした。同友会の小林代表幹事は、社会保障財源の不足や軽減対象品目の線引きに伴う混乱など「当初から懸念していた問題は解決されていない」と指摘。日商の三村会頭も「対象となる多くの事業者の準備が間に合わない可能性がある」として、支援に取り組んでいく考えを示した。
一方、経団連の榊原会長は「低所得者への負担軽減と個人消費の減退防止を優先させた施策であると受け止める」と述べるにとどめた。政府には、品目の区分け明確化や事務負担軽減への配慮を求めた。〔日経QUICKニュース(NQN)〕