大王製紙は16日、北越紀州製紙が大王の新株予約権付社債(転換社債=CB)発行を巡って大王の取締役に対して起こした損害賠償訴訟に関し、「発行手続き全体は正当に行われている。取締役が任務を怠っていることはない」とのコメントを発表した。訴状は届いておらず、「事実関係が確認でき次第、弁護士と協議して対応を検討する」としている。
北越紀州は15日付で、大王の佐光社長ら13人の取締役を提訴した。9月1日に大王がCB発行を公表した後、大王株価は大幅下落。北越紀州は差し止めを求めたが大王は応じなかった。北越紀州は大王経営陣が株主の利益を損ね、善管注意義務を果たさなかったとして約88億円の損害賠償を求めている。大王は「発行の目的や条件は合理的で、十分な議論が尽くされている」としている。