韓国最大の財閥サムスングループから巨額の賄賂を受け取ったとして、収賄などの罪で起訴された前大統領の朴槿恵(パククネ)被告(65)の初公判に先立つ公判準備手続きが2日午前、ソウル中央地裁で始まった。朴被告は欠席し、弁護人が起訴内容を全面否認するとみられる。
争点を整理し公判の進め方を話し合う手続きで、被告の出席は義務づけられていない。朴被告が出廷しなければならない公判は、9日に投開票される大統領選後に開かれる見通し。
起訴内容によると、朴被告は支援者のチェ・スンシル被告(60)と共謀し、サムスングループの事実上のトップでサムスン電子副会長の李在鎔(イジェヨン)被告(48)の経営権継承を支援するため、グループ内の企業合併に協力する見返りに賄賂を受け取ったとされる。賄賂は約束分を含めて433億ウォン(約43億円)に上る。先に公判が進む李被告は、起訴内容を否認しており、不正な請託があったかどうかが争点となる。
朴被告は、免税店事業の認可をめぐり、韓国ロッテグループから70億ウォン(約7億円)の賄賂をもらったとされる事件を含め、計18件について収賄、強要などで起訴されている。(ソウル=武田肇)