神戸市長田区の集合住宅で昨年1月、住人3人が死亡した火災で、兵庫県警は8日、火災報知機が作動しなかったとして、業務上過失致死の疑いで住宅の管理会社「恒和殖産」(大阪市福島区)の男性社長(61)を、過失致死容疑で報知機の電源を切った1階の住人男性(56)を書類送検した。いずれも起訴を求める「厳重処分」の意見付き。
送検容疑は、防火管理の責任者だった社長は報知機の定期点検などを怠り、昨年1月20日朝に神戸市長田区重池町1の「コート上沢」3階から出火した際、気付かずに逃げ遅れた住人2人を一酸化炭素(CO)中毒で死なせた疑い。
1階の男性は火災の1年前から半年前の間に報知機の電源を切ったまま復旧させず、2人を死亡させた疑い。県警の調べに「誤作動があり、うるさかったので切った」と話しているという。
一方、火元の部屋の死亡男性(当時65)については、報知機の不作動と死亡の因果関係が分からず、社長と1階の男性の過失による被害者としなかった。
建物は3階建てで、死亡した3人はいずれも3階で見つかった。〔共同〕