赤崎勇・名城大終身教授と山中伸弥・京都大教授の2人のノーベル賞受賞者が9日、名古屋市内で対談した。「若い時の失敗は財産になる。恐れないで挑戦してほしい」などと若い世代に向けてメッセージを送った。
科学技術振興機構が「科学技術で次の時代を切り開け」をテーマに開催し、小中高生を含む約700人が参加。青色発光ダイオード(LED)を開発した赤崎氏、様々な細胞に成長できるiPS細胞を開発した山中氏の体験談に耳を傾けた。
2人に共通していたのは、誰もが「できない」と考えていた課題を解決したこと。赤崎氏は「やめたらと言う人はいたが、自分は絶対にできると考えていた」と継続する大切さを強調した。山中氏も「他の研究者と同じことをやっても勝ち目はないとテーマを決めた。3人の学生ととにかく実験を続け実現できた」と振り返った。
質疑応答では「研究者に大切な資質は何か」などの問いに対し、赤崎氏は「科学には分からないことが無限にある。何をやるか、いかにやるかを見つけてほしい」と話した。山中氏も「実験で予想外の結果が出た時がっかりするのではなく、面白いと感じる好奇心が重要だ」と語った。