【シリコンバレー=北西厚一】米テスラ・モーターズが2017年に発売予定の電気自動車(EV)の普及モデルで、搭載するリチウムイオン電池をパナソニックが独占供給することが8日、わかった。両社が共同で資金を出して16年中の稼働をめざす米ネバダ州の電池工場で生産する。テスラは一部車種で韓国LG化学から電池の供給をうけるが、普及モデルは今後もパナソニックが調達の中心になる。
同日、米カリフォルニア州にある工場でテスラ幹部が「(普及モデルの電池は)全てパナソニックとの新工場から調達する」と話した。リチウムイオン電池はEVの中核部品で動力源にあたる。
パナソニックはテスラに約300億円を出資。大阪府内の工場でテスラの主力車「モデルS」とスポーツタイプ多目的車「モデルX」向けに電池を生産している。独占契約はしていないものの、実質的に全量を供給してきた。
普及モデルの「モデル3」は16年3月から予約を始める。1回の充電による走行距離を約200マイル(約320キロメートル)とモデルSとほぼ同等にしながら、価格は3万5000ドル(約410万円)程度と半分に抑える。
テスラとパナソニックが建設中の新工場の投資額は完成する20年までの総額で50億ドル規模(約5850億円)の予定。パナソニックは計1500億~2000億円を拠出する計画で15年度に300億円を先行投資する。
テスラはLG化学からも新たにリチウムイオン電池供給を受けることで合意している。テスラ幹部は「LGは高い技術を持っている」としながらも「パナソニックとの関係は良好で(新型車向けの需要増には)ギガファクトリーで対応する」と話した。