正社員の時にがんになり転職した人の43.8%がパートや派遣などの非正規社員になっていたとの調査結果を、三菱UFJリサーチ&コンサルティングがまとめた。調査担当者は「転職者の半数近くが非正規に転じている点は重い。同じ職場で働き続けられるよう、周囲の理解や環境整備が不可欠だ」としている。
調査は昨年8月、正社員として働いている時にがんになり、現在も仕事をしている65歳以下の男女にインターネットで実施。計978人が回答した。男性は大腸がん、女性は乳がんが多く、病気が見つかった年齢は男性では50代が50.6%、女性は40代が47.7%で、それぞれ最多だった。
がんになった後に転職した人は14.0%。転職先で正社員だった人は56.2%、非正規社員は43.8%だった。前の職場を辞めた理由(複数回答)は「体力面で就労継続が困難」が24.8%、「両立制度の不備」が11.7%と多かった。
転職せずに同じ会社で働き続けている人は86.0%。同じ職場で働き続けられた理由(同)は、「上司の理解・協力」が46.4%と最多。「同僚の理解・協力」が32.7%と続き、周囲の理解を挙げる人が多かった。
治療と仕事の両立で困ったこと(同)を全員に聞くと「再発不安」が27.2%と最も多かった。「治療や通院目的の休暇が取りづらい」が17.0%、「休職などに伴う収入減」が16.9%と続いた。〔共同〕