米疾病対策センター(CDC)は13日、中南米で感染が広がるジカウイルス感染症(ジカ熱)について、妊婦のウイルス感染が赤ちゃんの小頭症やほかの脳障害の原因とする見解を初めて発表した。感染と小頭症発症との関連はこれまでも疑われてきたが、公式に原因と断定した。
ジカ熱
米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)に論文を発表した。CDCによると、死亡した小頭症の新生児の脳組織からウイルスが検出されるなど、妊婦の感染と小頭症の発症を結びつける研究が相次ぎ報告されている。原因物質や仕組みなど「決定的な証拠」が特定できたわけではないが、これまでの研究成果の積み重ねから、感染が原因と結論づけたという。
ただ、米メディアによると、感染した妊婦から小頭症などの赤ちゃんが産まれる割合は1%前後とする報告から、30%近いとする報告まで幅があるなど、まだ分かっていないことが多い。CDCのフリーデン所長は声明で「(原因を断定した)この研究がジカ熱対策の転機になる」と述べた。
ブラジルでは昨年前半以降、ジカ熱が各地で本格的に流行し始めた。さらに昨年9月以降、小頭症の赤ちゃんが増えているとの報告が急増していた。(ワシントン=小林哲)