１４日午後９時２６分、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、同県益城（ましき）町で震度７を観測した。福岡管区気象台によると、この地震による津波の心配はないという。震源の深さは１１キロ、地震の規模を示すマグニチュードは６・５と推定される。余震も相次ぎ、午後１０時７分には益城町で震度６弱、１５日午前０時３分には同県宇城市で震度６強を観測した。同県の蒲島郁夫知事は益城町への自衛隊派遣を要請した。

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熊本市によると、同市内の病院には地震で重軽傷を負った７０人以上が運ばれているという。熊本県や県警のまとめでは、益城町では１０軒以上の家屋が倒壊し、９カ所で人が生き埋めになっているとの情報がある。２人は意識不明という。警察庁によると、同町で高齢者２人が下敷きになっている模様。

熊本県によると、同町で火災と家屋の倒壊がそれぞれ１件ずつ確認されているほか、ガス漏れしているとの情報が多数寄せられているという。熊本市内でも２人が下敷きになっているとの情報がある。熊本市の済生会熊本病院の担当者は「十数人が搬送された。頭部裂傷が多い」と話した。佐賀県によると、同県内では５人が重軽傷を負ったという。

九州電力によると、稼働中の川内原子力発電所（鹿児島県薩摩川内市）では被害や異常は報告されておらず、１、２号機とも通常運転を続けている。停止中の玄海原発（佐賀県玄海町）でも被害や異常はないという。熊本県内では午後１１時現在、１万６３００戸が停電しているという。

ＪＲ九州によると、九州新幹線は新大牟田（福岡県）―新水俣（熊本県）間で停電が発生し、地震直後から博多―鹿児島中央間の全線で運転を見合わせた。熊本県内では回送中の新幹線１編成が脱線したという。

西日本高速（ＮＥＸＣＯ西日本）九州支社によると、益城熊本空港インターチェンジ（ＩＣ）付近の下り線で、路面陥没による事故のための渋滞が発生している、との未確認情報がある。

そのほか、九州自動車道南関ＩＣ―えびのＩＣ、南九州自動車道の八代ジャンクション（ＪＣ）―日奈久ＩＣ、九州中央自動車道の嘉島ＪＣ―益城本線料金所が通行止めになっているという。

午後９時２６分の地震では熊本市東区や西区、南区、玉名市天水町、宇城市松橋町、同市不知火町、同市小川町、同市豊野町、西原村小森で震度６弱を、玉名市横島町、熊本市中央区、北区、菊池市、宇土市、合志市、熊本美里町、大津町、菊陽町、御船町、山都町、氷川町で震度５強を観測した。