ウクライナ議会は14日、ヤツェニュク前首相の辞任を受け、議会議長ボロディミル・グロイスマン氏(38)の首相就任を承認した。議員421人のうち257人が賛成、50人が反対した。
ウクライナ首相が辞任表明 連立政権の運営行き詰まり
ポロシェンコ大統領は議会に改革実行のため多数派による安定した政権作りを求めていた。しかし、ウクライナ・メディアによると、連立与党のうち大統領派の政党とヤツェニュク氏の「国民戦線」に加えて複数の小政党が賛成に回る一方で、2月まで連立政権に加わっていた改革派政党「サモポミッチ」やチモシェンコ元首相の「祖国」は賛成しなかった模様だ。
欧米の支援継続に向け、緊縮政策や構造改革が課題のグロイスマン氏にとって多難な出発となる。
グロイスマン氏はポロシェンコ氏の側近として知られる。ヤツェニュク氏の辞任表明後、各勢力の駆け引きで閣僚選びが難航。財政支援をめぐる対外交渉で力を発揮し、欧米の期待が高かった米国出身のヤレスコ財務相が内閣を離れ、その後任に大統領府副長官がつくなど、ポロシェンコ氏色が強い布陣になった。(ウィーン=喜田尚)