18日の東京外国為替市場で、円高ドル安が加速している。円相場は一時、6日ぶりに1ドル=107円台後半をつけた。原油価格が下落するとの観測から、リスク回避のための円買いドル売りが強まっている。日本政府による為替介入が難しいとの観測も、円買いを勢いづけている。
株価急落 原油安・円高・熊本地震の「トリプルパンチ」
産油国、増産凍結合意できず 日経平均、一時593円安
正午時点の円相場は前週末15日午後5時時点より1円27銭円高ドル安の1ドル=108円02~03銭。対ユーロでも円高が進み、同1円15銭円高ユーロ安の1ユーロ=121円89~90銭だった。
15日に閉幕した主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、ルー米財務長官が「最近は円高が進んだが、市場の動きは秩序的だ」と発言したと伝えられ、「日本の為替介入は難しくなった」(大手銀行)との見方が強まった。主要産油国による増産凍結が見送られたことをきっかけに新興国経済への影響が懸念され、安全資産とされる円を買う動きが進んでいる。熊本地震で自動車部品などの生産休止が相次ぐことも、投資家のリスク回避の姿勢を強める一因となっている。