サッカーJ1の名古屋グランパスが新スタジアムを白川公園(名古屋市中区)に造る案について、昨年にグランパス幹部と河村たかし市長の会談で浮上して以来、協議が進んでいないことがわかった。市民の理解などの点で実現可能性を危ぶむグランパス側が具体案を示さない状態が続き、白川公園案は困難な状況だ。
J1名古屋に新スタジアム計画 サッカー専用3万人規模
新スタジアムをめぐっては、グランパスの中林尚夫専務が昨年12月、市が管理する公園での建設への協力を河村市長に求め、市長は名古屋駅や繁華街の栄に近いとして白川公園案に協力する姿勢をみせた。
ただ、市管理の公園には建ぺい率などの制限があり、市都市公園条例の改正が必要になる。白川公園案では市科学館や市美術館の移転、周辺の交通渋滞解消の検討も迫られる。
グランパス側には、白川公園案について市民から反対意見も寄せられ、理解が得られないとの懸念がある。このため市に具体的な計画を示せておらず、協議は全く進んでいない。河村市長は25日の記者会見で「(協議は)されとらん」と認め、「わしもグランパスのお偉いさんと電話せないかんが、忙しくてかけずじまい」と話した。