野老朝雄氏が手掛けた大名古屋ビルヂング下層部の外装デザイン=25日午後、名古屋市中村区、小川智撮影
新エンブレムに選ばれた作品Aの制作者、野老朝雄(ところあさお)さん(46)は数学的なアプローチから多くの文様をデザインし、作品を生み出すアーティストだ。野老さんのサイト「TOKOLO.com」では、デザインしたマンションの壁面タイルや映画館のカーペットの文様を紹介している。
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この3月に名古屋駅前に全面開業した大名古屋ビルヂングでは、外装のデザインを手掛けた。三菱地所によると、2~4階の外壁のガラスに幾何学模様のデザインを施したという。
10年以上、野老さんと一緒に仕事をしている東京大教授で建築家の千葉学さん(55)は「小学生でも描けるような単純な図形が元になっているのに、それを組み合わせることで新しい関係を見いだすところに意味がある」とデザインを評価。人柄については「気さくで一生懸命。考え方は感覚的ではなく、論理的で緻密(ちみつ)」と評する。JR敦賀駅(福井県)前の施設など、千葉さんが設計した建物の案内標識などを手がけてもらったという。