エルサレムをイスラエルの首都と認定したトランプ政権の決定の撤回を求める決議案が21日、国連総会で採択された。米政権は賛成票を投じた国への財政援助打ち切りを示唆する「圧力」をかけたが、加盟国から強い反発を招き、裏目に出た形となった。
首都エルサレム撤回要求を採択 国連総会、日本も賛成
採決後、パレスチナ自治政府議長のアブルデイナ報道官は「パレスチナの大義が国際社会の支持を得た。圧力にさらされたにもかかわらず決議案を支持し、自由な政治意思を表明したすべての国々に感謝する」とコメントした。
イスラム協力機構(56カ国とパレスチナ)の議長国として国連総会の開催を求めたトルコのエルドアン大統領は、「米ドルと引き換えに自身の民主的な意志を売り渡してはいけない」と加盟国に訴えた。決議採択後、エルドアン氏は決議案に賛成した国々に感謝の意を示し、「トランプ政権が速やかに(エルサレムをイスラエルの首都とした)決定を撤回するように望む」とツイッターに投稿した。
米国と敵対し、イスラエルを国家承認していないイランのザリフ外相は21日夜、自身のツイッターで「トランプ政権の国連における暴力的な脅迫に対して世界が示した断固たるノーだ」と表明した。
これに対し、イスラエルのネタニヤフ首相は「馬鹿げた決議を拒否する。これまでも、これからもエルサレムは我々の首都だ」とのコメントを発表した。(イスタンブール=其山史晃、テヘラン=杉崎慎弥)