ブラジルの連邦下院議会で賛成決議が可決されたルセフ大統領の弾劾(だんがい)の是非を巡り、上院に設置された特別委員会で26日、審議が始まった。メンバーは野党側が多数を占めており、弾劾に賛成する報告書が承認されるのは確実な状況。特別委の結論をもとに、早ければ5月11日にも上院本会議で弾劾の賛否を問う採決が行われる見通しだ。
特別委は上院議員21人で構成。ルセフ氏は財政赤字を実際より少なく見せるために、政府会計の粉飾に関わったとされ、特別委はルセフ氏側の弁解を聞いた上で弾劾の是非を検討する。ルセフ氏は一貫して不正を否定している。
下院は17日、ルセフ氏を弾劾すべきだとする決議を全議員の3分の2以上の賛成で可決。今後、上院本会議でも過半数が賛成すれば、ルセフ氏は180日間の職務停止処分となる。地元メディアの調査では、上院では賛成派がすでに過半数に達しており、停職処分に至る可能性が高い。(サンパウロ=田村剛)