2回、内山高志(右)は、コラレス(左下)のパンチを受けダウンし、ロープにつかまり何とか立ち上がる=関田航撮影
(27日、WBAスーパーフェザー級世界戦)
内山、12連続防衛ならず WBAスーパーフェザー級
「圧倒的に勝つ」という試合想定はいきなり崩れた。一発KOを狙い、闘争本能むき出しで左右のフックを振り回す挑戦者コラレスに、無敗のスーパー王者内山の体がぐらつく。「やったことない感覚」。完全に冷静さを失っていた。
1回。いきなりその拳をもらってしまう。「絶対相手と打ち合うな」と指示されたが、内山は「冷静にやろうと思ったがそうはいかなかった」。焦る気持ちが先走り、2回も出どころの見えづらい変則的な左右の拳をまともに受け、崩れ落ちる。「1発やり返したいと前に出たところをやられた」。3度目のダウンで観客から悲鳴が起きた。
「勝って当然という雰囲気だった。周りが油断していた。指示を徹底していれば……」とジムの渡辺均会長は見えない隙を突かれた一瞬の敗戦を悔やんだ。