熊本県北部の県立高校3年の女子生徒(17)がいじめをうかがわせる遺書を残して自殺したことを受けて、県教育委員会は28日、記者会見を開き、第三者機関でいじめの可能性を含めて調査する方針を明らかにした。学校側が進めている聞き取り調査などを受けて行う。第三者による調査は遺族が求めていた。
県教委によると、女子生徒は17日、3時限目の授業終了後に体調の不良を訴えて早退。午後、自宅で意識を失っているところを祖母が見つけ、病院に運ばれたが18日未明に亡くなった。
遺族によると、自宅の居間に、同級生から「よう学校に来られるね」「死ねばいいのに」などと言われたことや、「誤解なのに」「とても苦しかった」「もう死にたい」などと手書きした遺書が残されていた。学校側に相談したことにも触れていたという。
学校側は全校生徒に対し、女子生徒が亡くなった事実を18日に、自殺だったことを25日に伝えたという。同級生らへの聞き取り調査はすでに始めている。女子生徒と周囲がやりとりしたLINE(ライン)の内容なども必要に応じて確認するという。
県教委は、弁護士や医師ら第三者の専門家で構成する付属機関の「県いじめ防止対策審議会」を開いて調査する。県教委の重岡忠希・高校教育課課長補佐は記者会見で「学校の調査はいじめの可能性を排除せず、進めている」と語った。(田中久稔、池上桃子)