トルコ南部ガジアンテップ中心部の県警本部前で1日午前9時20分(日本時間同午後3時20分)ごろ、大規模な爆発があった。地元行政当局によると、少なくとも警官2人が死亡、警官18人と民間人4人の計22人が負傷した。治安当局は「車両を使った自爆テロ」とみており、複数のトルコメディアは過激派組織「イスラム国」(IS)のメンバーによる犯行と報じた。
地元行政当局によると、日本人が巻き込まれた情報はない。1日午後の時点で犯行声明は出ていない。
治安当局によると、県警本部に近づいてきた車両が突然爆発した。付近には県知事府など行政関連施設が集中している。トルコ紙イェニシャファックなどによると、運転していたのはISのメンバーで、爆発後、治安当局は父親を拘束したという。
治安当局は、メーデーの集会やデモ行進がISなどの攻撃対象になるとみて警備を強化。爆発があった県警本部にも、多くの警官が待機していた。
トルコでは4月以降、シリアのIS支配地域からロケット弾の越境着弾が相次ぎ、住民13人が死亡。ドアン通信などによると、1日午前も南部キリスにロケット弾4発が着弾し、民間人7人が負傷した。トルコ軍はISによる攻撃として、ISに対する越境砲撃を続けており、さらなる対立が懸念されていた。
爆発現場から約1キロ離れた場所に住む会計士ブルハン・シャーバージさん(29)によると、ベッドで寝ていたところ、「ドーーン」という大音響と振動で目覚めた。県警本部のあたりには50メートルほどの白煙が上がり、続いて「パン、パン、パン」という銃撃音が聞こえたという。
またトルコ軍によると、南東部ヌサイビンで1日朝、軍を狙った爆弾攻撃があり、兵士3人が死亡、同13人が負傷した。軍は少数民族クルド系の武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)による攻撃としている。
トルコでは3月に首都アンカラと最大都市イスタンブールで自爆テロとみられる大規模爆発が相次ぎ、少なくとも計41人が犠牲になった。4月27日には観光地ブルサで爆発があり、自爆テロ犯とみられる女1人が死亡、8人が負傷した。(イスタンブール=春日芳晃)