三菱自と日産の4月の軽販売が半減
三菱自動車の燃費偽装が発覚した影響で、同社と日産自動車が4月に売った軽自動車の台数が前年から半減した。全国軽自動車協会連合会が2日発表した。停止している対象車種の生産・販売は再開のめどが立たず、生産現場では従業員や部品メーカーにも不安が広がっている。
特集:三菱自の燃費偽装問題
偽装がわかった4車種のうち「eKワゴン」などを売る三菱自は、4月の軽販売が前年比44・9%減の1477台。三菱自から供給を受けて自社ブランド「デイズ」などとして売る日産は、51・2%減の5574台だった。この影響が大きく、4月の軽販売全体も7・5%減の11万2035台に落ち込んだ。
4車種は2015年度、三菱自と日産が売る軽の7割ほどを占めた。4月20日に始まった販売停止の影響はまだ部分的で、まったく売ることができない5月の販売はさらに落ちそうだ。再開には正しい燃費を示す必要などがあるが、国土交通省は燃費を計測し直して6月中に発表するとしているほか、対象4車種の生産・販売に必要な国の認証が取り消される可能性もあり、影響は長期にわたる恐れも出ている。
三菱自は、偽装があった軽4車種などを受け持っていて生産停止している水島製作所(岡山県倉敷市)について、自宅待機となっている約1300人の従業員の賃金削減を提示。労働組合に休業中の賃金の補償を提案し、労使で交渉に入った。停止の影響を受ける部品メーカーへの補償も検討し始めている。
岡山県では2日、水島製作所の生産停止で打撃を受けたとして、部品メーカー経営者らが県庁で伊原木隆太知事に支援を求めた。取引の大半を三菱自に頼るため、「生産再開のめどが立たず、社員も不安がっている」と訴えた。