麻生太郎財務相は3日、独フランクフルトで開かれているアジア開発銀行の総会で、来年4月に予定されている消費税率の10%への引き上げについて、「(増税をしないと)世界で最も進んでいるといわれる社会保障制度を維持できない。そう確信して我々はやろうとしている」と述べ、予定通り引き上げる方針を国際舞台で改めて言明した。
麻生氏は、中国の楼継偉財務相やインドネシアのブロジョネゴロ財務相らと「構造改革」をテーマにしたセミナーに参加した。「(増税などの)改革をやると痛みが伴う。それに対して反対が出るのは当然だ」と説明。その上で「やり切るために何が必要か。間違いなく政権の安定、そしてリーダーシップだ。これがないと改革は進まない」と述べ、税率引き上げへの強い意志を示した。
安倍晋三首相も2日、イタリアで記者団に「(予定通り消費増税を行うという)基本的な考え方に変わりはない」と話している。(フランクフルト=奈良部健)