大阪府警は9日、4月に大阪市内でごみ箱に火をつけたとして、大阪市北区西天満6丁目の無職阿部和弘容疑者(38)を建造物等以外放火の疑いで逮捕、発表した。「放火なんかしていない」と否認しているという。同じ時間帯に半径250メートルの範囲で起きた他の不審火との関連も調べる。
捜査1課によると、阿部容疑者は4月12日午前2時20分ごろ、北区南扇町の専門学校西側路上に設置されたごみ箱に火をつけた疑いがある。隣接する校舎の壁に延焼したが、けが人はいなかった。出火時刻ごろ、付近の防犯カメラに阿部容疑者に似た男が映っていたことや目撃者の証言などから容疑者として浮上した。
この日は午前1時50分ごろに同区の扇町公園東側の路上生活者の布団などが焼けた後、1時間のうちにごみ箱も含め空き家や民家のひさしなど計5カ所で不審火が起き、男性2人が軽傷を負った。1課によると、これら現場付近の防犯カメラにも阿部容疑者と似た男の姿が映っているという。
阿部容疑者はこの後、睡眠薬を服用した状態で車を運転し、物損事故を起こしたとして道交法違反容疑で逮捕、起訴されていた。