離婚した親が離れた子どもと面会交流することを拒まれたり、養育費の支払いが滞ったりしないようにする新法づくりの検討が始まった。面会交流や養育費の分担を書面にして、実効性を持たせる内容。超党派による議員連盟(会長・保岡興治元法相)が今国会への法案提出を目指し、10日に素案をまとめた。
素案では、未成年の子どもがいる夫婦が協議離婚をする際に、子どもとの面会交流や養育費の分担に関する取り決めを書面にまとめ、離婚届に添付して市区町村に提出することを求める。努力規定にとどめて罰則も設けないが、離婚後も子どもと両親が継続的に交流することを「原則として子の最善の利益に資する」と明記。子どもの利益を守ることに対する両親の責任を明確にした。
国や自治体は取り決めの相談に応じるなどの支援をする。児童虐待や配偶者への暴力などの事情がある場合は、子どもの利益に反しないよう特別に配慮する。
離婚後の養育費不払いは子どもの貧困につながると指摘されている。法務省は2012年4月から面会方法や養育費の分担について取り決めができているかを記す欄を離婚届に設けたが、実効性をより高める狙いがある。保岡氏は「子どもが親からの継続的な愛情を受けられる環境を整えたい」と話している。(伊藤舞虹)