観光客や修学旅行生が訪れる中、警備に立つ警察官=11日、広島市中区、青山芳久撮影
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主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、米国のオバマ大統領が27日に訪れることになった被爆地・広島。決定から一夜明けた11日、広島県警は警備やテロの防止にあたる対策室を急きょ設けた。残された時間は半月。大統領はどんなルートで行動するのか。警備が難しくなる大勢の前でスピーチをするのか。歓迎ムードのなか、多くが不透明なままの始動となった。
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「マジかよ」。10日夜、自宅にいた県警幹部はテレビニュースを見ながら思った。「明日は早く出てこいよ」。スマホを取りだし、LINE(ライン)で部下へ指示を送った。翌朝には、オバマ大統領が訪問した際には立ち寄ると伝えられている平和記念公園(広島市)を制服姿の警察官が巡回。日ごろとは異なる雰囲気に包まれた公園内を観光客や修学旅行生が行き交っていた。
オバマ大統領が広島を訪れる可能性が浮上した段階から、警察庁は警備計画の検討を進めてきた。伊勢志摩サミットの警備と広島での警備を両立させる必要があるからだ。伊勢志摩サミットでは都道府県警の特別派遣部隊を含めて現地で大規模な態勢を取り、8年前の北海道洞爺湖サミット時の約2万1千人を上回る見通し。並行して広島で相当の規模の態勢を構えることになる。警察幹部は「部隊をやりくりし、万全の態勢で臨む」と話す。