連日多くの見学者が訪れている地磁気逆転地層=市原市田淵
約77万~12万6千年前の地質年代が「チバニアン(千葉時代)」と呼ばれる可能性がある千葉県市原市田淵の地磁気逆転地層に連日、数百人の見学者が殺到している。市などは無料のバスを走らせたり、市職員が現地で案内したりと、急きょ対策に乗り出した。
候補に「チバニアン」、決め手は地磁気逆転の痕跡と年代
千葉、習志野、品川、大宮……。4日は平日にもかかわらず、地層の最寄り施設である田淵会館前には様々なナンバーの車であふれていた。
日本の研究グループは6月、市原市の養老川沿いにある地層を地質年代の境界を代表する「国際標準模式地」として国際地質科学連合に申請した。この地層が11月13日までに模式地の候補に残ったことが明らかになって以降、見学者が爆発的に増えた。
市によると、同13日以降で最初の日曜となった同19日には約600人が訪問。祝日だった同23日は雨で増水のため見学は不可だったが、それでも約120人が来た。週末の多い日は650人、平日でも200人ほどが訪れるという。
見学者は地層に見入ったり、カメラで撮影したり。一見何の変哲もない地層だが、何が引き付けるのか。さいたま市から来た田代弘さん(63)は「よく分からないけれどロマンを感じますよね。世界遺産ではなくて、地球遺産になるかもしれない地層なので見たいと思った」と話した。
急な見学者の増加を受けて、市などは同19日から土日祝日限定で、市内を走る小湊鉄道の月崎駅と田淵会館近くを結ぶ無料のバスの運行を開始した。同会館前には簡易トイレも設置。週末には民間の警備員も配置し、市ふるさと文化課の職員が地層の案内を行っている。いずれも今月17日まで実施する。
また、地層やチバニアンの案内…