韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は15日、李丙琪(イビョンギ)大統領秘書室長(68)の辞表を受理し、後任に大統領直属の地域発展委員会で委員長を務める李元鐘(イウォンジョン)氏(74)を任命した。秘書室長は大統領府(青瓦台)で大統領を支える最側近。李丙琪氏は4月の総選挙で与党セヌリ党が過半数割れの大敗をした責任をとり、辞表を出していたという。
李丙琪氏は朴政権では駐日大使として、悪化した日韓関係の改善に尽力した。菅義偉官房長官らとの関係も深く、日本政府側の信頼も厚かった。その後、情報機関「国家情報院」の院長を経て、大統領秘書室長に就任。昨年末の慰安婦問題の日韓合意でも大きな役割を果たした。
韓国では総選挙後、与党セヌリ党などから、新たな体制で政権運営を進めるため、人事を刷新するよう求める声が出ていた。後任の李元鐘氏はソウル市長や忠清北道知事などを務めた。大統領府側は「行政全般にわたって豊富な経験と識見を備えた適任者だ」と起用の理由を説明している。(ソウル=東岡徹)