東洋ゴム工業(大阪市)による免震ゴムの性能偽装問題で、関西に住む70代の男性株主が16日、同社に対し、山本卓司前社長ら歴代役員19人に賠償させる訴訟を起こすよう求める提訴請求書を送った。偽装を招いた責任を問い、約466億円の損害を賠償させるよう求めている。同社が60日以内に提訴しない場合、株主は同社の代わりに大阪地裁へ株主代表訴訟を起こす。
責任を追及するのは、断熱パネル性能の偽装問題が起きた2007年から免震ゴムの不正が発覚した15年までの期間の歴代役員19人。株主側は「従業員の不正行為を発見できる体制を構築していなかった」「性能品質に疑いがあったのに出荷を断行した」などと指摘。同社が偽装にかかわる特別損失として公表した466億7400万円について、賠償責任を負うと主張している。
男性について、大阪の弁護士らでつくる「株主の権利弁護団」(大阪市)が代理人として支援している。
東洋ゴム工業は「内容を確認できておらずコメントできない」としている。(釆沢嘉高)