ドイツのドブリント運輸相は22日、フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正をめぐる独自動車当局の調査を受け、独自動車大手5社が、ディーゼル車63万台を自主的にリコール(回収・無償修理)することを決めたと発表した。外気温などに応じて排ガス量を調整するソフトウェアの搭載が問題視されたという。
当局が国内外メーカーのディーゼル車53モデルについて調査したところ、22モデルで基準値を超える窒素酸化物(NOx)が検出された。調査対象には日本車も含まれ、スズキが基準値の最大11倍、日産自動車は最大5倍に達したという。日産は仏ルノーから、スズキは伊フィアットからエンジンの供給を受けている。
今回リコールを決めたのは、アウディ、ポルシェ、オペル、メルセデス・ベンツ、VWの独大手5社。
問題のソフトは、外気温を感知するなど一定条件下で排ガス浄化装置を停止する機能があった。エンジン保護などのために例外的に認められており、合法だが、当局はソフトの温度設定などが不適切だった可能性を指摘。各社は改善する必要があると判断し、当局とリコールで合意した。
一方、ドブリント氏は会見で「今回の調査ではVWと同じような違法ソフトのケースは見つからなかった」と述べた。
スズキは、該当車を日本では売っていない。フィアットはすでに、ソフトのプログラムを更新する自主改善策を示しているといい、「フィアットに合わせて対応を取りたい」(広報)という。(玉川透=ベルリン、山本知弘)