
ホンダ「モンキー」の最終モデルとなる「50周年アニバーサリー」(同社提供)

昭和の若者に愛されたホンダの原付きバイク「モンキー」が、誕生から半世紀の8月、生産を終える。いまの若者は原付きに乗らなくなり、9月からの排ガス規制強化に対応できないことが決め手となった。
1967年に発売された初代モンキーは、東京都日野市にあったホンダ系列の遊園地「多摩テック」の遊戯用バイクを公道で走れるようにしたものだった。折りたたんで車に載せ、旅先で乗る「レジャーバイク」としても使えた。赤と白を基調とするデザインも人気を呼んだ。
ただ、原付きの販売台数は近年、80年の1割ほどに減った。新たな排ガス規制では浄化装置を付ける必要があり、コスト高から製造継続を断念した。
多摩テックも客足が落ちて2009年に閉園した。モンキーの累計生産台数は昨年末で約66万台。創業者の本田宗一郎氏が手がけたオートバイ「スーパーカブ」に次ぐロングセラーだった。(榊原謙)