環境省と国立環境研究所、宇宙航空研究開発機構は20日、温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」で観測した地球大気の二酸化炭素(CO2)濃度が、昨年12月に月平均で400・2ppmに達したと発表した。地表から上空約70キロまでの大気全体を観測できる衛星のデータで400ppm超えが確認されたのは初めて。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える国際目標の達成には450ppm程度にとどめる必要があるとしている。400ppm超えは危険な水準だ。上空より濃度が高くなる地上の観測に基づく世界の月平均濃度は、すでに400ppmを超えている。いぶきの観測で、濃度上昇が上空を含む大気全体で続いていることが確かめられた。
観測では濃度は年約2ppmずつ上昇しており、この傾向が続けば年平均濃度も今年中に400ppmを超えるという。国立環境研の横田達也フェローは「温暖化の影響が出るのはずっと将来と思われているが、そんなに先ではない」と話す。(小堀龍之)