「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行(おおひがしたかゆき)さん(当時72)が2013年12月、京都市山科区の本社前で射殺された事件で、京都府警が今春、逃走用スクーターの調達に使われたとみられる軽乗用車を押収していたことが、捜査関係者への取材でわかった。事件前、盗まれたスクーターと一緒に伏見区の防犯カメラに記録されていた。府警は乗っていた人物の特定を進める。
府警は犯人らはバイクで逃走したとみており、事件から4カ月後の14年4月、現場から北東約2キロのアパートの駐輪場でオートバイを発見。右ハンドルから銃の発射後に残る硝煙反応を検出した。すぐそばでナンバープレートを付け替えた不審なスクーターが見つかった。事件2カ月前の同じ日、オートバイは同府城陽市の民家で、スクーターは京都市伏見区の飲食店で相次ぎ盗まれたものだったことが明らかになっている。
捜査関係者によると、押収した車は、事件前、スクーターが盗まれた飲食店の防犯カメラに映っていた。映像には車から降りた人物が鍵がついたまま止めてあったスクーターに乗り、車と一緒に走り去る様子が映っていた。車は事件後、九州地方に移動したことも確認されている。ただ、車が事件に関係していることを示す直接的な証拠は見つかっておらず、府警は車を近く検証し、慎重に捜査する。