事件が起きたフロリダ州オーランドで開かれた追悼集会。犠牲になった友人の写真を掲げて参加する人々が少なくなかった=13日、金成隆一撮影
米フロリダ州の同性愛者向けクラブ「パルス」が襲撃され、49人が犠牲になった銃乱射事件。容体の安定した生存者が証言を始めたことで、あの夜の3時間に起きた「米史上最悪の銃撃事件」の詳細が少しずつ明らかになってきた。
特集:銃乱射事件
生存者の一人、ペイシェンス・カーターさん(20)は14日、入院先の会見で証言した。
日付が変わった頃に入店し、帰宅用の車の予約をした直後に銃声が聞こえた。「こんな音を出して客を帰宅させようとするのか」。おもちゃの銃の音か、DJが銃声を流していると勘違いした。
大勢の客とトイレに逃げ込んだが、オマル・マティーン容疑者がトイレに追いかけてきて、突撃銃の乱射を始めた。カーターさんは足に被弾したが、床に伏せて救出を祈った。
間もなく容疑者は、トイレから、日本の110番に相当する911番に電話を掛け始めた。電話口で、犯行に及んだのは「米国に私の国への爆撃をやめさせたいからだ」と説明した上で、過激派組織「イスラム国」(IS)への忠誠を誓ったという。容疑者は米国生まれだが、両親はアフガニスタン移民であることがわかっている。
容疑者がトイレに逃げ込んだ人々に質問する場面にも遭遇した。「ここに黒人はいるか?」。黒人男性の一人が「6~7人いる」と答えると、容疑者は「私は黒人との間に問題はない。君たちも十分に苦しんだ」と話したという。