雨の中、街頭演説に集まった有権者ら=23日午前10時51分、千葉県内、恵原弘太郎撮影
22日に公示された参院選の千葉選挙区(改選数3)では、2人を公認した自民党に対し、民進党も2人を立て、共産党も独自候補を擁立した。憲法改正の国会発議に必要な「3分の2」の勢力を巡り、与野党が激しい選挙戦を繰り広げる。
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「アベノミクスは大いに成果を上げている」。23日、千葉県松戸市の駅前で自民現職の猪口邦子氏(64)は谷垣禎一・党幹事長と共に街頭に立ち、小泉政権で少子化担当相を務めた経歴などをアピールした。
自民新顔の元栄太一郎氏(40)も同日、柏市で街頭演説し、ここにも谷垣幹事長が応援に入った。法律相談サイト「弁護士ドットコム」を立ち上げた経営感覚を強調している。
3人区で自民が2人を立てたのは千葉と北海道だけ。千葉選挙区は2007年に改選数が2から3に増え、2人擁立を続けてきた。2人とも当選したのは前回13年が初めてだった。
「今回はそう簡単な選挙ではありません」。安倍晋三首相は19日、JR船橋駅前と市川駅前に立ち、それぞれの応援に入った。地方議員は2大派閥が分かれて別々に支援。党県連幹部は「推薦を受ける公明の支援も得て2議席を確保する」と話す。
対する民進は、旧民主党時代の前回13年参院選で1人だった公認候補を今回2人に増やした。政権与党だった10年以来の2人擁立だ。
民進現職の小西洋之氏(44)は23日朝、柏市で「今、アベノミクスのもとで格差社会が広がっている」と訴えた。
小西氏は昨年6月、旧民主の公認候補に内定した。その後、元みんなの党幹事長の水野賢一氏(49)が民進党に参加。13年参院選は旧民主の候補が3位当選だったため、「共倒れ」を懸念する県連側は党本部に対し2人目の公認に難色を示した。だが、今年4月、水野氏の公認が決まった。
県連幹部は「難しい状況だが両陣営が刺激しあってやるしかない」と語る。千葉県香取市で18日にあった安住淳国対委員長の講演会では、最後に小西氏と水野氏が並んで「頑張ろう!」と拳を突き上げた。8日に県内入りした岡田克也代表は「チャレンジしなければ議席は確保できない」と決意を述べた。
野党間に具体的な協力の動きは見られず、共産は新顔の浅野史子氏(45)を擁立した。8度目の国政選挙挑戦。党県委員会の幹部は「(共産、民進の3人が)主張をアピールして、伸びていければいい」と話す。(土肥修一、湊彬子、長屋護)
■千葉選挙区候補者
浅野 史子45 共新
元栄太一郎40 自新
小西 洋之44 民現
猪口 邦子64 自現
古川 裕三34 諸新
高橋 正夫85 無新
水野 賢一49 民現
香取 成知65 こ新
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