名古屋大学(名古屋市千種区)と名古屋工業大学(同市昭和区)は24日、寄付された株の配当を活用した給付型奨学金を創設したと発表した。「ものづくりを志す学生に」と、業務用冷蔵庫大手のホシザキ電機(愛知県豊明市)の坂本精志会長夫妻が、新たに設立した会社の株を両大学に4万5千株ずつ寄付した。配当を原資にした奨学金の運用は国内初という。
「ホシザキ奨学金」は、工学部系の大学3、4年生と大学院生を対象に、月12万円、年間144万円を原則2年間支給する。返済は不要で、ホシザキ電機への入社は条件としない。今年度は各大学5人、来年度以降は20人ずつ選考する予定。
坂本会長は「資源のない日本で、ものづくりが廃れては国が成り立たない。学生が心おきなく勉強し、将来の有為な人材に育っていただくことを期待している」と話した。(月舘彩子)