(26日、広島4―3阪神)
痛恨だった。九回、同点とされ、2死満塁で左中間へあがった平凡な飛球。左翼手の俊介と中堅手の中谷が落下点で交錯した。ボールはこぼれ、芝生の上へ。阪神は適時失策が出てサヨナラ負けした。
ふがいない3連敗になった。交流戦で12球団最少の44得点、3本塁打に終わった打線の迫力不足は相変わらず。この3日間の得点は2、2、3。八回に福留の適時二塁打で勝ち越したが、なお1死一、三塁で原口が二ゴロ併殺に倒れた。最少リードで九回のマウンドに上がった岩貞は、先頭丸に許した安打からリズムを崩していった。
リーグ戦再開の相手が独走の気配を漂わせてきた広島。「ちょうどいい直接対決。波に乗ったらこのチームは強いと思う。どれだけ波に乗れるか」。金本監督はそう語って、マツダスタジアムに乗り込んだ。
目算は大きく狂った。広島とのゲーム差は10・5に広がった。負け越し数は今季ワーストの7にまで膨らみ、最下位ヤクルトとのゲーム差は0・5に。
監督は最後のプレーについて、「言いようがないよね」と言った後、絞り出した。「ぶつかってでも捕りにいっている。結果は落ちたけど、(譲り合う)お見合いよりは全然いい」。失策が記録された中谷は6年目、23歳。若手を育てながら戦うチームにミスはつきものかもしれない。ただ、いまの阪神には、ミスを補うようなタフさはない。(竹田竜世)
●中谷(神) 九回、俊介と交錯し飛球を落球。「ぶつかってでも、捕らないといけなかった」