イースタン・リーグ巨人戦で先発するヤクルトの由規=22日、川崎市のジャイアンツ球場
■スコアの余白
スコアの余白2016
かつて最速161キロを誇った高校生ドラフト1巡目右腕の「復活」の日が近づいている。今季から育成選手のヤクルトの由規(よしのり)(本名・佐藤由規)が、支配下登録される見通しとなった。
首脳陣の判断材料となったのが、22日のイースタン・リーグ巨人戦。今季9度目の2軍登板を衣笠球団社長らが視察する中、先発で98球を投じ5回2失点。最速151キロ、8奪三振の内容に、真中監督は「直球も変化球も思い通りに投げられている。段階としてはクリア。肩の状態を見て、編成に相談したい」と合格点を与えた。
2011年9月に右肩を痛め、13年に手術。プロ9年目の今季は背番号が3桁の「121」になった。7月末の支配下登録期限が近づき、「結果を残さないといけない重圧もあった」。
最下位に低迷するチームにとって、待望の先発候補だ。22日に都内であったヤクルトの株主総会では、株主が防御率が12球団ワーストの投手陣の再建策を質問した。衣笠球団社長は「リハビリ組を起爆剤として立て直しを図りたい」と答え、キーマンの1人に復活を期す26歳の名を挙げた。
登板後の肩の状態を見ながらになるが、球団は残り1枠の支配下登録に前向きで、新人時代から背負い慣れた「11」も空けたままだ。「課題を克服しながら順調にきてる。いつでもいける気持ちだけは持って準備したい」。真っ黒に日焼けした顔で約5年ぶりの1軍マウンドを見据える。(甲斐弘史)