ヤクルトの原樹理
(19日、ヤクルト4―2阪神)
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先発投手が安定すると、歯車がかみ合ってチームに勢いが出てくる。今のヤクルトはまさにそんな感じだ。17、18日の巨人戦で2試合連続零封勝利した流れに乗り、2年目の原樹理がマウンドで躍動した。
不安視された立ち上がり。高山を三直に打ち取ると、続く北條、糸井を連続三振に仕留めた。「先に点をやらない。一回から全力で飛ばしました」。打線もすぐに応えた。一回2死満塁から大引がしぶとく二塁手頭上を越す適時二塁打を放つ。この2点の先制点が原樹理を勇気づけた。
東洋大出身。2015年秋のドラフトで、ヤクルトと阪神が高山(明大)の1位指名で競合し、真中監督が外れクジを勘違いしてガッツポーズするハプニングがあった。その時の外れ1位指名が原樹理だ。「因縁」の高山との対戦は、三回に三振を奪ったが、六回には右前安打され、3打数1安打となった。
昨季は2勝。今季は主に中継ぎで、結果を残せずにいた。この日は、先発予定だった山中が故障で離脱したため、代わっての起用だった。「今日ダメだったら……。腹をくくって投げました」
技術的な裏付けもあった。「気持ちが前にいきすぎて体が突っ込む」という癖を修正。熱い投球の中でも冷静にフォームをチェックした。六回は一発を浴び、さらに無死一、二塁のピンチ。「負けないぞ」の気持ちでしのぎ、約1年ぶりの白星をつかんだ。
3連勝で4位浮上。由規とともに、苦しいローテーション組み替えで得た成果に、伊藤投手コーチも「ありがたい」と喜んだ。(吉村良二)
○真中監督(ヤ) 好投の原樹について「いろんな球種を使って思い切り投げていた」と評価。「バレンティンの本塁打も効果的だったね」と上機嫌。
○バレンティン(ヤ) 母親の誕生日を祝う本塁打。「打った瞬間、スタンドに入る感触があったよ」と喜んだ。