楽天2番手の高梨=林敏行撮影
(16日、プロ野球CS第1ステージ 楽天5―2西武)
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Bクラスに沈み続けた昨季までとの違いを象徴する勝ちっぷりだった。楽天が攻めの継投で逃げ切り、2013年以来4年ぶりの日本一へ望みをつないだ。
五回。先発の美馬が初めて連打を許し、炭谷の右犠飛で1点差に詰め寄られた。なお2死三塁で、打席には左打ちの秋山。すると、楽天ベンチはわずか72球の美馬から、迷いなく左腕の高梨にスイッチした。
今季ドラフト9位で入団した25歳は、シーズンの左打者の被打率が1割3分3厘。「左を抑えるのが僕の仕事。たとえ秋山さんでも、僕にとっては左打者の一人でしかない」。リーグの首位打者を、得意の外角へと逃げていくスライダーで空振り三振に仕留めた。
右打者が続く六回無死一塁からは、今季途中に育成から支配下登録された右腕の宋家豪を投入。七回も走者が得点圏に進むと、ハーマンから福山への積極継投でカードを切り続けた。
最終順位が5位だった昨季、楽天の救援陣は防御率4・53で12球団ワースト。高梨や宋ら新顔が奮闘した今季は3・30まで改善した。この試合、1点のリードを守り続けたブルペンの粘りに、打線は八回に2本の本塁打で3得点。試合の行方を決定付けた。
「シーズン中はなかったような継投策に、ブルペンが応えてくれた。采配がうまくいった」と梨田監督。勢い付いたイーグルスが、ホークスに挑む。(松沢憲司)
○美馬(楽) 五回途中に降板。「今日は最初から飛ばしていった。試合はつくれたと思う。(自分が残したピンチを)高梨がよく抑えてくれました」
○宋家豪(楽) 3番手で登板し、勝利投手に。「絶対にゼロで抑えようと思っていた。緊張していたが、自信を持って真っすぐを投げた」
○枡田(楽) 八回、左翼ポール際に決定的な2ラン。「狙って打てるものでもない。8番なので、思い切って打つことができた」
●浅村(西) 九回にソロ本塁打を放ったが、及ばず。「自分を含め、若い選手がいっぱい出てきている。この悔しさを来年にぶつけたい」
●秋山(西) 五、七回の得点機に三振。「勝ち上がれなかったのは悔しい。個人的には勝負弱かった」