29日、イスタンブールのアタチュルク国際空港のガラスのドアの向こうを歩く男性=ロイター。28日の銃撃や爆発の影響で、ガラスはひび割れていた
トルコの最大都市イスタンブールのアタチュルク国際空港で28日夜(日本時間29日未明)に起きた連続自爆テロで、イスタンブール県当局は29日、死者41人、負傷者239人に達したと発表した。トルコの治安当局は初動捜査から過激派組織「イスラム国」(IS)が関与しているとの見方を強めており、襲撃犯の身元の特定を急ぐ。
「トルコに安全な場所ない」空港騒然 銃乱射後に自爆か
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死亡した41人のうち37人の身元が判明し、うち10人は外国人だった。政府によるとサウジアラビア、イラク、イラン、中国、ヨルダン、チュニジア、ウクライナなどの国籍という。
地元メディアは、襲撃犯3人は検視の結果、外国籍である可能性があることがわかったと伝えた。3人は発砲した後、自爆した。
犯行声明は出ていないが、テロに詳しい専門家は、無差別発砲と自爆を併用し、被害の最大化による力の誇示を図るのはISの特徴だと指摘する。3月にベルギー・ブリュッセルの空港などで起きた自爆テロでISは犯行声明を出している。
トルコでは昨年来、少数民族クルド人系の武装組織によるとされるテロも続発しているが、クルド系組織は主に治安機関や政府機関を狙うことが多い。(カイロ=翁長忠雄)