リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた陸上のジャマイカ選手権が1日、キングストンで行われ、男子100メートル世界記録保持者のウサイン・ボルト(29)が同種目決勝を欠場した。前日の予選で左太もも裏を負傷、1日の準決勝でも痛みがあったという。200メートルと合わせ五輪2種目で3連覇を目指すボルトの前途に暗雲が漂ってきた。
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観客席がどよめいた。決勝のスタートラインに自国の英雄の姿がない。ボルトは公式ツイッターに理学療法士の治療を受ける写真を掲載。「けがの程度は最も軽い。22日のロンドンでの試合に間に合わせたい」と軽症であることを強調した。
ジャマイカ陸連にとってボルトは「全歴史を通じて最高の選手」(ゲール専務理事)という存在。医師の診断書も提出したことから、今回の結果を不問として五輪代表に選ぶ方針だ。
ただ、5月14日の今季初戦でも脚を痛めて治療を受けている。五輪開幕を1カ月余りに控えた時点での再発は大きな不安材料。4年前のジャマイカ選手権では100、200メートルともヨハン・ブレークに敗れたが、ロンドン五輪では両種目連覇を達成した。再び試練を乗り越え、「人類最速の男」の称号を守り抜けるか。(時事)