セキスイハイムで知られる大手住宅化学メーカー積水化学工業(大阪市北区)が大阪国税局の税務調査を受け、2015年3月期までの3年間で約6億円の申告漏れを指摘されたことがわかった。取引先との接待飲食費を課税対象にならないように処理するなどし、うち約5千万円は所得隠しと認定された。重加算税を含めた追徴税額は2億数千万円で、同社は全額納付したという。
接待飲食費は企業規模などにもよるが、原則として参加者1人当たりの支出が5千円以下の場合は課税対象とならない。関係者によると、同社は取引先との会食にかかった接待飲食費などの一部について参加人数を水増しするなどし、1人5千円以下に収まるよう算出したとされる。大阪国税局は、こうした処理は仮装・隠蔽(いんぺい)行為にあたると認定したとみられる。
このほか、収入の計上時期を誤って所得を少なく算出したほか、社内の会議や打ち合わせ時の社員の飲食代を経費として計上するなどのミスもあった。
同社は朝日新聞の取材に「指摘に従った。再発防止に努める」としている。
有価証券報告書や信用調査会社によると、同社は住宅や高機能プラスチック事業が主軸で積水グループの中核企業。売上高は16年3月期の連結ベースで約1兆963億円、経常利益は約812億円だった。(岡野翔)